Vol.154 アメリカで初めての就業③

* Vol.153 アメリカで初めての就業②を読んでいない方は先にそちらをご覧ください。

仕事に応募できるのは18歳以上で文字通り老若男女いる職場でした。親子や家族で働いている人たちも多く、紹介ボーナスがあったりリピート率も高いみたいなので、おそらくホリデーシーズンの要員集めはクチコミやコネに頼る部分も多いのだと思います。

私がいたフロアで知る限り最高齢だったのは75歳のおじいちゃんです。今回私と同じ時間のシフト(8:30-14:30)でパッキング部だったのでよくおしゃべりしたし、こっそりキャンディをくれたり、みんなにフレンドリーな和む存在でした。

まさにおじいちゃんのキャンディー

ホリデーシーズンに働くのは今年で8回目で、奥さん(隣の部署で働いてた)と毎年常連のようです。流石に動きや覚えは若者に比べると遅いけど、若者はしれっとドライな印象の人たちが多い中、年配の人たちは割と情が厚く年の功っていいなと感じました。

パッキングの上司はおそらく次に高齢で、今まで会った人の中で、いい意味でアメリカ人らしくないアメリカ人でした。彼女はジャンクフードやキャンディはほぼ食べないらしく、食も気を使っており毎日緑茶を飲んでいました。クリスマスが嫌い、Jeff Bezosは金の亡者だと批判しており、Amazonは絶対使わないと言っていましたアメリカでは変わり者なのかもしれません。私が日本人だと知るとアメリカをどう思うか、日本ではこれはどうなのかなど色々興味津々で聞いてきました。銃や政治についてや、12月は真珠湾攻撃の日もあり、彼女は映画「オッペンハイマー」を観たと言っていたので原爆を落とされたことについてどう思うか、など結構踏み込んだ質問をされました。アメリカ人は自国は正義の国という認識、歴史を学ぶ時も原爆を落としたのは日本が悪いのでしょうがなかったという見解が多いので、バービーとキノコ雲のミームが流行ったのも、原爆の被害者に対する無知や無関心からなる愚行だったと思います。自国の見解に疑問を持った彼女が質問をしてくれ、踏み込んだ会話ができたのは貴重な体験でとても良かったです。アメリカでは政治や宗教の話題はかなり気をつけてしないといけません。相手によってはかなりヒートアップして喧嘩になりかねないからです。実際戦争の話はランチの時にしましたが、こういう話はあまり人に聞かれない方がいいから、と周りを気にして小さめのトーンで話していました。

休憩は大きなカフェテリアで、ランチはそこの売店(無人でカードで払う)で買うか、毎日日替わりのケータリングがあるのでそれを朝注文して食べるか、持ってきたランチを食べます。電子レンジやエアフライヤーがあり、紙皿、フォーク、紙コップなど自由に使えます。私は節約のためほぼ自宅から持っていくことが多かったですが、日替わりケータリングもどんなものかと一通り全部試してみました。Chinese, Mexican, Pizza, Sandwichが日替わりとなり、価格もそれぞれ違います。中華弁当は$5.50でコスパ良いし一回目まあまあだったので2回頼みました。


一回目はKung pao chicken.


2回目Sweet and sour chicken.
酢豚のようなのを期待していたら、衣で揚がったチキンにソースがついただけ。。。


フロアのスーパーバイザーは私の見たところ50歳くらいの女性で、ホリデーシーズンに短期で働き始めたのがきっかけで、今はこのポジションにまで上りつめたようです。地元に住んでいるので、うちの子供達もこの学区に通っていると話をしていたら、彼女の子供達も同じ学校に通ったので私の長男の担任の先生のことを知っていました。そして彼女自身私の長男が通うIntermediate Schoolの校長先生と中学校が一緒だったようです(アメリカの校長先生は日本と比べると若めの人が多い)。うちの下の子が通う小学校の先生達とも、彼女の子供達が先生のお子さんと仲良かったなど何人か知り合いらしく、アメリカならではだなと思いました。日本だったら先生とその子供って同じ学校に在籍することなかなかないと思います。でもアメリカはよくあるし、実際私の長男の友達の親はその学校の先生という子が何人かいます。そして転勤はあまりないからずっと同じ学校に勤めることも多いです。

条件・待遇は良かったというのが全体の印象です。

ホリデーシーズンの時給は$18で週末はプラス$1、12/23日はホリデー扱いで1.5倍でした。私は就業時間6時間のうちの20分間の昼休憩で、その間も給与は支払われていました。2週間ごとの支払いで私はチェックでもらっていました。給料1週間ごとの支払いの職場も結構あるらしく、アメリカで慣れると日本の月給が待ちきれなくなりそうですね。

クリスマス近くになると毎日抽選会が行われて1日10人以上が当選し、会社の人形やその他の商品を選んでもらえました。それと追加で1週間クリスマス前にSpirit weekというのがあり、これはアメリカ的なイベントかなと思います。よく学校でもあるのですが、その日のテーマに合わせたものを着ていきます。例;タイダイを着る、学校のカラーのものを着る、赤や緑のものを着る など

私はテーマが"ミスマッチ"の日に、チェック、ボーダー、ストライプを着て行って参加賞として当選券をもらいました。アメリカらしい面白い計らいですよね。これを含め私はシーズン中4回賞品をもらいました!あとはシーズン最終日までいた人たちは帰りに全員粗品をもらいました。私は利用しなかったですが、従業員割引もありオンラインストアで人形など30%で購入できます。

こうやって書いていると、私はアメリカの他の職場は知らないので比べることはできないですが、いい労働環境だったなと改めて思います。

次のホリデーシーズンもまたパッキング部で働けたらいいなと思っていたので、上司に来年も彼女は働いているか聞くと、多分退職していないとのこと。65歳からメディケアという政府の健康保険に入れるのでこの年でリタイヤする人が多いらしいのです

アメリカの健康保険問題はまた話すと長くなるので触れませんが、健康保険のために働くというのはあながち嘘ではないなと思いました。ホリデーシーズンはフルタイム8時間の立ちっぱなしの仕事を週5か、忙しい週は6日も働くなんて、アメリカ人は日本人より働かないというイメージがあったけど、それも私の中で覆されました。

そういえば思わぬサプライズもありました。パッキングの際この会社が出している本も商品で詰めていたのですが、その本のいくつかのイラストレーターがなんと夫の従兄弟でした。夫側の親戚はものすごく多いので私は会ったことはないのですが、その人の兄弟は中西部に住んでおり、我が家も交流があり色々話は聞いていました。いつか実際に会えたらいいなと思いました。

そんなこんなで2ヶ月+の短期就労を無事終えたのですが、かなり中身の濃い2ヶ月で、お金を稼げたのは勿論、それ以上にアメリカ生活でプラスになる経験をできたのが良かったです。そしてちょっとのスペイン語も覚えました。

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